プロローグ

 村の外れに古びた教会があるそうだ、そこに牧師が一人いるらしい。らしい、というのは人伝に聞いた話だからだ。とある者はとても優しい牧師だという。とある者はとても恐ろしい牧師だという。二つの仮面を持った牧師。
 彼らはその牧師を「雪銀の狼」と呼ぶ。なぜ、銀雪の狼なのか、これだけは皆、口を揃えて同じことを言った。
「白銀の髪はまるで雪のよう。金色の瞳はまるで獣のよう。何より彼は狼の化身なのだ」だと。
 くくくっ、早く会ってみたいものだ。どんな人間なのだろう。何を見て、感じ、考えて、行動するのだろう。

 私の名前はリヴァイアサン。人々は私を「探求心の怪物(リヴァイアサン)」と呼ぶ。結構な名前ではないだろうか。

inserted by FC2 system